※コードとか和音とかまではなんとなくわかる人向けです。
同じメロディーラインを二回繰り返す時、二回目に変化をつけるためにメロディーに肉付けすることがあるかと思います。
いわゆる、「ハモリ」です。
初心者の方で、このあたりがうまくいっていない曲を聞くので、ヒントになれば。
センスがないから……ということではなく、コードさえ分かっていれば大体物理でごり押しできます。
※横幅が長くて画像表示が小さいので、お手数ですが保存して読んでください。
例を挙げます。
tips04-01
このメロディーの二回目を肉付けしてみます。(後半がちょっと違ってます)
やってしまいがちなのが、次のようなタイプ。
tips04-02
三度は確かにハモりやすい音ではあるのですが……
そもそも、ハモリはメロディーと同じように目立ってしまうと、聞いている人の耳に優しくありません。
ということは、少し音を減らす必要があります。
では、いったいどの音を減らせばいいのか。
メロディーと同時に鳴らして心地が良い音というのは、そのメロディーに合うコードの音です。音楽理論で言えば和声音、別名定位音ということになります。
ハモリの音を作る場合、それ以外の音、音楽理論で言えば非和声音、別名転位音は、極力減らしたほうがいい。
今回の例に対して、コードを弾いてみます。
tips04-03
コードの音、和声音に印をつけておきました。
これを利用します。メロディーの中でもコードの音が鳴っている部分だけに、同じコードの音を添えてあげます。もちろん、上に添えるか下に添えるかだけは決めておきましょう。
tips04-04
まずは、コードに合わない不自然なハモリは解消できました。
さらに良くしてみましょう。
前の例は、とにかくコードに当てはまる音を拾いました。
しかし、自然ではない部分があると思います。
ハモリは、なるべく上下の動きを抑えたほうが、メロディーをよりよく聞かせるという役割を果たすことができます。
ではどうしたらいいのかというと、「コードの中でも、前に選んだ音に対して、一番近い音」を選びます。
しかし、その選び方にもある程度善し悪しがあります。
いいハモリを作りたい人は、画像内の3つのポイントを熟読してください。
ここで選んだ音だけを演奏したのがこちら。
tips04-05
だいぶ良くなりましたね。
あとはもう、「ここやっぱこうしたほうがいいんじゃね?」っていう部分を修正していくという単なるセンスの問題になってきてしまうので、好きな曲のハモリを思う存分聞いて、自分なりのハモリを身に着けましょう。
アウトだと言われていることも、意識的に使うことでいい効果が出る場合もあります。
しかし、理論なんて後付けだからと知識も経験もなく作ると、おかしなものになってしまいます。
理論をおさえるだけで誰でも安定したハモリが作れます。
慣れてくれば、音を置いただけで大体いいハモリかどうかわかってきますので、まずは理論的に挑戦して数をこなしてみましょう。
なおクラシック音楽が生活だった私がある日突然ゲーム音楽に憧れ、作り始めた曲に十ン年前に直感的につけたハモリがこちら。
どこが違っているか、聞いてみてください。
tips04-06
最後だけ、解説を入れました。
これはハモリを活躍させる最重要ポイントです。
完成品はこの曲でした。
wmh_inst002_town