影の付け方にもいろんなテクニックがあります。
カラーイラストを描くにあたって、悩むと思われるのが、
「どこに影をつければいいのか」。
今回はこれについて。
実際に作例を見ながら説明していきます。
今回、ソフトウェアはSAIを使用していますが、考え方はソフトウェアに依存しません。
まずは下地の色を置きました。
肌のパーツを塗っていきます。
すこし濃い色で、一つ目の影をつけました。
これらは、物体そのもののおおまかな形からできる影です。
この影の付け方は、以下の考えに基づいています。
つまり、頭の丸さを球体に、首を円柱に例え、球体や円柱がある方向から光を受けた時に出来る影を意識して塗ったものです。
球体や円柱の影のつきかたは、普段からボールや缶など、身近なものを見ることで覚えることができます。
わからなかったら、とりあえず無条件に左のほうに太陽があると考えて、右下にあたる部分の線のふちをなぞるように塗ると簡単です。
円柱に見立てて塗るやり方は、特に腕や足を塗るときに重宝します。
腕や足は円柱に見立てることができます。細かいところでは指一本一本も円柱といえます。
こうして全てのパーツを、大きな物体としてとらえた時の影というのは、全体の印象を決める影になります。
さて、では二つ目の影を塗ります。
一つ目の影は非表示にしてあります。
二つ目の影は、以下の考えに基づいて描いています。
つまり、前者が物体そのものの形から出来る影であったのに対し、
こちらは、他の物体が落とす影です。
影には、主に二つの種類があります。
物体そのものの形から生まれる影、他の物体の下になって生まれる影。
これを意識して塗ることで、影をどこに塗ればいいか?ということがわかってくるのではないかと思います。
以下はもうちょっと踏み込んで。
この二つの影、私はレイヤーを分けて塗っています。
このままアニメ塗りだと何も気にならないのですが……
ぼかしを入れてみると、どうでしょう?
エッジがきいて、それぞれの影の役割がわかりませんか?
今回は、言われてみれば……という程度ではありますが、
もう少し細かいパーツになってくるとかなりの影響があります。